ほぼ日曜週刊タイ生活

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タイ近隣諸国、古代歴史のミステリー〜後編

 
さて、古代ミステリー前編はいかがでしたでしょうか。

 

構成を練りねりして、 良い具合に膨らみましたので、モチモチの不思議を楽しんでください。

引き続き、不思議派遣。


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前編のおさらい

アンコールワットの建築は12世紀前半に建てられたと考えられており、有名な乳海攪拌の壁画があります。


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不思議を3つ派遣しました。

謎1.アンコールが建築された12世紀と言われるのに、恐竜(存在は2億 3000万年前から6600万年前) のようなレリーフが遺跡のなかにありますが、時代が合わない。


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謎2.アンコールワット遺跡群の位置は「紀元前10500年」 の、星のりゅう座と一致します。


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謎3.星の位置と遺跡位置が一致している別の例として、 エジプトのギザにあるピラミッド三基が「紀元前10500年」 のオリオン座と一致します。


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いろいろと、なんでやねん!がありますね。

とりあえず、謎1は紀元前10500年の点で見れば、 恐竜は存在したことになりますので、置いておきましょう。 ここで、謎2と謎3が共通する「紀元前10500年」 は何を示しているのか、ということです。

 

 

紀元前10500年のネタ追加

謎にはなりませんが、紀元前10500年のネタを追加します。

 

古代エジプト人は天の川を「空のナイル川」と呼んでいました。

 

ロマンチストですわー

 

 

天空(オリオン座と天の川)と地上( ギザのピラミッドとナイル川)の配置を計算したところ、 これまた「紀元前10500年」だと一致したそうです。

 

もちろん計算方法は、略、というか分かりません。

 

あーロマンティックが、実は理論的だったようです。

さすが古代エジプト人。

 

 

紀元前10500年はどういう時代?

定説では、紀元前10500年はまだ人類がマンモスを狩猟していた時代。日本史で定義されている縄文時代の紀元前15000年から紀元前 2300年の期間にあたります。

 

一方、ピラミッドが建設されたと言われる、 古代エジプト王朝は紀元前3000年前の王朝です。 今から考えると約5000年前でそれこそ大昔の話ですが、紀元前10500年はさらにめっちゃ大昔です。

 

またもや、合いません。

一体何・・・?

 

 

星の位置変動(理論)

そもそも、現在の星の位置と、紀元前10500年の星の位置が違う理由をお話しますが、天体物理の内容です。

 

私は眠くなりませんが、物理と聞いて眠くなる方は、「 星の位置は今日明日で地球から見える位置はほぼ同じだけど、 何万年単位では位置が変わる」と思って、飛ばしてくださいませ。

 

さて、頑張って説明します。

 

地球は軸を中心として、日々回転しています(自転)。この地球の軸は垂直に立っているわけではなく、図のように約23 .4度斜めに傾き回転しています。


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この傾きがあるので、太陽の高度や日の時間が変化します、 つまり季節があります。

下図、北半球(赤線より上領域)であれば、お昼の時間(水色部分)が長い=夏、 となり冬はこの逆ですね。

 


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イメージとしては、コマを回したときに、 コマの棒が一定の傾きを保ったまま、 ゆっくりとその頭を首振りして回る動きと似ています。 この首振り回転運動を「歳差運動」といい、 これは地球に月や太陽などの惑星引力の作用が関係します。

 

 

この歳差運動は、 私たちの生活する時間においてはこの軸は不変と思っていいのです が、非常に、なが―――――い時間でみると周期があり(下図、緑の円を一周するのにかかる時間)それは約26000年になりま す。


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この歳差運動は地球から見える星の位置変化に影響を与えます。

 

分かりやすい星の例としては、北極星です。 北極星は真北にあって動かない星、 夜に方角を知る時の目印として知られています。そもそも、 北極星はたまたま地球の自転軸をのばした先にある星で、まるで真北にあって動かない星に見えます。


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ただし、年代によってその北極星が変わる、 というイメージは先ほどの説明からお分かりいただけますでしょう か。北極星となる、星は約26000年の周期で移り変わります。

 

 

現時点の地球の北極星は、こぐま座α星のポラリスです。ちなみにこの北極星、431光年の彼方、太陽の直径の46倍もあ る巨大な恒星であることが分かっています。西暦2100年頃、 もっとも天の北極に近づくと言われています。

 

あと80年後のこと。

うーん、生きていないだろうな。

 

 

以上により、今見ている星は何万年、人間が生きているせいぜい100年の数十倍になってくると星の位置が変化するということはご理解頂けたでしょうか。

 

 

 

「紀元前10500年」のある理論

私は謎の解明をネット情報で集めましたが、 詳細はグラハムハンコック著作「天の鏡」 にある理論が記載されています。

 

この理論に賛同されない方もおられるようですが、 計算上で出された結論の部分は(計算が合っているという過程はもちろんです。) 私は賛同しますので、ここで紹介します。

 

ただこの書物は電子版が見つからず、 私は読めないままネット情報でこのブログを書くことが非常に残念です。もしご興味ありましたら、この書籍を読み、 飽きたら私に本を貸して欲しいです。(超切実)

 

星の位置をコンピューターであるシュミレーションをした結果、 りゅう座(アンコールワットの遺跡群と一致) がもっとも低い位置に達すると、オリオン座( ピラミッドの3基と一致)は最も高い位置になり、 一方りゅう座が上がってくると、オリオン座は下がる、 という動きが13000年弱で周期になっていると分かりました。

 

ここでいう、13000年でピンと来た人、さすがです。

 

そう、歳差運動の周期である約26000年の半分ですね。

  

この周期(変わる起点)が最後に起きたのは、いつであったのか、 なんとなく察していただけるかと。

 

これは、ノーマルひとしくんレベルの問題です。

 

 

答えは、今から紀元前10500年です。

本のなかでグラハムハンコックは、この紀元前10500年をある理由で「 最初のとき」と呼んでいます。

 

その理由にエジプトの他の遺跡、 スフィンクスから見える星を挙げています。なおスフィンクスとは、 ライオンの身体と人間の顔を持った神聖な存在あるいは怪物。


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古代エジプト語の「シュセプ・アンク(生ける像・復活の像)」 に由来するギリシャ語「スピンクス(Sphinx)」 の英語読みです。

 

 

さて、紀元前10500年の『春分の日』の夜明け前にスフィンクスの正面から見える星は何でしょうか。

 

これは、スーパーひとしくんレベルの問題です。

 

 

答えは「しし座」です。

 

 

ちなみに、私の誕生日はいわゆるしし座ですが、 先ほどの説明にありましたように、 年代により星座は変わりますので、 星座占いの根拠はイマイチということは、 理論派の私はここでぼやいておきます。

 

うん、私は星座占いを参考にしたことがありませんわ。

 

 

さて、スフィンクスがしし座を眺める、これは 同じ獅子という括りになりますね。 この図式はこの日に限って見られるそうです。


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スフィンクスの後ろ姿が、まるでうちの家の犬様、ラブに似てます。どうだってヨシですね。

 

 

さて、著者のグラハムハンコックのいう、何が「最初」 なのか、ここからは、理論ではなく創造の話になりますので、 詳細はあえて述べません。いわゆる人間が生まれたやら、 そういう話になります。もしご興味がありましたら、ぜひ本を読んで下さいませ(本の宣伝ではありませんよ)。

 

まとめと伏線

アンコールワットの遺跡群や、 エジプトの遺跡群から言えることは、「紀元前10500年」 は何か伝えたい点であること。

 

さて、何があるのでしょうか。ここからある説を紹介しますが、 いろんな解釈の一つという認識で読んで下さい。

 

へえー

ふーん

ほー

みたいな感じで。

 

 

 

まず、 アンコールワットで紹介した乳海撹拌の壁画は覚えていますでしょ うか。そう、あの綱引き大会。


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ハンコックによれば、右に左にと回転している、 あの絵は「歳差運動」を表しているといいます。

 

 たしかに、そう見えなくはないです。この3D像はいまいちですが、引っ張っている人の角度がなんとなく、自転軸のように23.4度くらい傾いている?

 

なお、 壁画の元となったヒンドゥー教の大叙事詩に出てくる乳海撹拌の最後は不老不死を手に入れた神々の話でしたが、古代エジプトの王たちは、りゅう座の星を「 宇宙の妊娠と懐胎」とみなしていたようです。

 

ここから言えるのは、 アンコールワットの遺跡群からのりゅう座は、 何かが生まれたことを示している、ということでしょうか。

 

そういえば、 アンコールワットの名前の由来は最初に紹介しましたが、 覚えていますでしょうか。

 

ワットは寺ですが、アンコールのほう。今、大人気のアルコールではありません。

 

前編のミステリーのブログにこう記載しました。

アンコールとはサンスクリット語で「国」「都」を意味する「 ナガラ」に語源を発しのちカンボジア人はなまって「ノコール」 Nokhorと呼び、さらにそれがアンコールとなった。

 

私は、「ナガラからノコール」にどうくずしてるねん。 と思いました。

過去に紹介した、タイの首都、バンコクの名前の由来「バーン(村)・マコーク(果実)」よりも違いすぎません?

 

さて、今回関係したエジプトに繋げますと、 古代エジプト語において「アンコールAnkor」は「アンク・ホルAn kh-hor」に近い言葉になります。

 

うん、こっちなら近い言葉として、私は納得です。

 

ここで、アンク・ホルを分けて考え、 古代エジプト語の意味を考えます。

 

アンクは、生命の象徴とし、T字形の上に楕円形、 もしくは卵の形が乗ったもの。 この図形はそのままエジプトのヒエログリフで「アンク」 という音を示す表音文字としても使われています。下図の左。

 

有名な「 ツタンカーメン」(トト・アンク・アメン) という王名にもアンクが埋め込まれている。下図の右。


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次に「ホル」=「ホルス」とは、 エジプト神話に登場する天空と太陽の隼の神。 エジプトの神々の中で最も古く、最も偉大で、 最も多様化した神の一つです。


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つまりこれらを合わせると、

アンク・ホル=「生命+ホルス」=「ホルスの生きる姿」 と捉えることができます。

 

つまり、アンコールワットの名前の意味は「神が生きる姿」 としての寺院になります。

 

たしかに、アンコールワットの遺跡群はりゅう座の位置と重なり、 そしてそれは紀元前10500年春分の日に何かが始まったことを示していますので、この生きる姿というイメージとも繋がる、 かも。

 

なるほど。

 

 

これで、名前もエジプトとカンボジアが繋がりました。

なんか、数学の証明がやっと完了したような感じですが、 私はハマりました。

 

紀元前10500年前で現在が2020年ですので、 現在を起点とすると12520年前の話。 想像つかないくらい前のお話でしたが、いかがでしたでしょうか。

 

ここで考えてはいけないのは

 

だから、なんやねーん。

 

明日から何かが変わるわけでもない、ただの知識ですが、 今後これら遺跡の見る目が変わるのではないでしょうか。

 

 

ますます、始めを表現している、アンコールワットへ行きたいです。

 

疑問はたくさんありますが、一つ、なぜこの計算しつくした遺跡位置を古代エジプトと時代が大きく異なる12世紀のカンボジアで建設できたのでしょうね。残念ながら、カンボジアではこの建設に関する書物が残されておらず、分かりません。証拠もなければ、理論では説明できませんので、みなさまの創造の力へお任せ致します。

 

続きまして補足ですが、これも「だから何」 の話ですが読んでみてください。

 

アンコールワットの遺跡位置(補足)

調べれば調べるほど、 このアンコールワット遺跡の位置は他の遺跡とも関係し、 重要とされているようです。

 

かの有名な、ナスカの地上絵との関係性。

ナスカの地上絵;ペルーにある動植物などの巨大な壁画


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このナスカの地上絵の対蹠地(たいしょち、地球のちょうど裏側)にアンコールワットは存在しています。イメージとして、 地球儀に鉛筆を中心に向かって刺した場合、 アンコールワットとナスカの地上絵は「同位置」=真裏に位置することになります。ここ数年で個人ユーザーでもgoogle earthを使い、検証したなかで見つけたそうです。私もgoogle earth使って今度検証してみようかな。

 

 

他に、中国の紫禁城

世界最大の木造建築群 として有名なこの右側の紫禁城と敷地面積が、なんと「同じ」のようです。


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写真では残念ながら縮尺が合いませんでしたが、堀があって大まかに似ている感じを受けてもらえたたら、嬉しいです。


他にもインドのエローラ 石窟群とアンコールワット、 紫禁城を地図で繋げると3角形になったりと

 
等々

 


様々な重要な場所とアンコールワット遺跡は関係しているようです。英語サイトを探すと山のように出てきますので、 もし興味ありましたら、ぜひ。

 

 

つまり、アンコールワットはエジプトのピラミッドレベルに重要な土地であること。

現在、エジプトにいくのは相当難しいので、アンコールワットで代わりに旅行へいくのもいいかもしれません。とはいえ、現在のコロナウイルスの影響で海外旅行はしにくいですが。

 


それでは、 これでやっと長かったミステリーの旅は終わります。

 個人的に今年一番のブログ大作を終えました。3月なりに日本でよく言われる、「去る」にぴったりです。

 


参考文献リストをアップしたら、すごい量になるくらい、相当調べ、このブログで紹介する構成に時間をかけました。流れと伏線をどう作り、捨てる情報と、調理の方法。

 

歴史とミステリー好きな人には面白い内容だったかと自負しています。ご感想、ご意見お待ちしております。

 

 

 

 あー疲れた。